Ensembre"AMADEUS"Tama +++ 曲目解説(協奏曲) +++

クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

 モーツァルトはその晩年(とはいっても亡くなったとき、彼は35歳だったので、まだ若いですけどね)まで、クラリネットの曲はほとんど作曲しておりません。有名なクラリネット五重奏曲(K.581)は32歳、そして本日演奏いたします協奏曲はまさに亡くなったその年、1791年に作曲された曲です。  そもそもクラリネットという楽器は他の木管楽器より出現したのが遅く、またとても演奏するのが難しい楽器でした。そんな楽器の協奏曲を書くきっかけになったのは、ヴィーンの宮廷楽団の初代クラリネット奏者である、アントンとヨハンのシュタドラー兄弟との出会いでした。とりわけ兄のアントンとの親交があったために、有 名なト短調の交響曲(第40番K.550)に、 後に本来なかったクラリネットパートが加筆されたのは有名な話ですし、この楽器の持つ柔らかで上品、しかも陰影のある特色とアントンの卓越した演奏があいまってインスピレーションを与えなかったら、私たちはこのすばらしい協奏曲を聴くことはできなかったことでしょう。  この協奏曲と五重奏曲という有名な2曲のクラリネット曲は、アントンが当時特注で作った「バセットクラリネット」という、通常のクラリネットよりかなり低く深い音が出る楽器のために作曲されたと考えられています。いわばアントン専用の曲という感じですね。しかし、一般に出版されているA管のモダン楽器で演奏するための楽譜には、本来出ないはずの低音を1オクターブ上げて記譜されています。 (田邉)

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