*Ensembre"AMADEUS"Tama +++ 曲目解説(協奏曲) +++

フルートとハープの為の協奏曲 K.299(K.297c)

 1777年の夏の終わり、領主でもあるザルツブルク大司教と衝突したモーツァルトは、ついに長く住んだこの町を飛び出してミュンヘン、マンハイムを経て1778年の3月にはパリに到着しました。ここパリは、少年時代に2度ほど訪問し、そのときは天才少年としてベルサイユ宮殿に招かれるほどの歓待をうけた思い出の地でありましたが、すでに大人となった彼には周囲の興味はあまり示されず,希望を胸に抱いていたモーツァルトは失意の日々を過ごすことになります。それでも生活するためには仕事をしなければならず、作曲の注文を受けたり、ピアノその他の家庭教師をしたりしていました。  そんな生徒の一人にフランス大使を歴任した名外交官、ド・ギーヌ侯爵の令嬢がいました。彼女には作曲を教えていたモーツァルトでしたが、この令嬢が優れたハープ奏者であるうえに、父の侯爵自身フルートの名手であったことからこの二人のための曲を依頼されました。そして1778年5月に完成したこの協奏曲は、アマチュア用の作品ながら極めて優雅で美しく、そんなところからも侯爵父娘がいかに名手であった かが想像されます。  よく知られている割にはあまり演奏される機会の少ないこの曲(ソロ楽器の組み合わせのせいかもしれませんが)は、Allegro〜Andantino〜Allegroの3つの楽章からなっています。堂々としたトゥッティに始まりハープによるアルペジオの上をフルートが優雅に舞い踊る第1楽章、ホルン、オーボエが沈黙して、弦楽器群とソロによるやさしい旋律の第2楽章、そして楽しげなガヴォット風主題のロンドで華やかにフィナーレを迎えます。それにしても、こんな素敵な曲を作曲してもらい父娘で演奏するなんて、すごい贅沢な話ですね! (田邉)

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