ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452
モーツァルトは管楽器のための作品を何曲か作曲しているが、ピアノ、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットという編成の曲はこの1曲のみであ る。初演は1784年3月30日、ウイーンのブルグ劇場にて、彼が28歳のときである。 このころモーツァルトは、ザルツブルグからウイーンに帰着したばかりである。この間、妻コンスタンツェとの結婚、長男の誕生と死と彼の身の回りは波瀾 万丈であった。ウイーンのグラーベンに移り住んだ彼はこの時期、ピアニストとしてウイーンでは売れっ子だったようである。同時期にピアノ協奏曲(第 14〜17番、K449、450、451、453)を作曲・初演しているが、その中で本作品を通じて、これまでの弦楽四重奏曲などとは全く異なる世界を 模索していたようである。各管楽器の楽器の特徴を活かし、完成度の高い作品に仕上がっている。その前年に作曲した交響曲第36番「リンツ」(K425) や本作品と同時に初演されたK.450、451など、管楽器の活躍する作品が多く見られるのもこの頃からである。実際、この作品を初演した際、ピアノを 弾いていたモーツァルトはその出来に満足し ていたらしく、父レオポルドにあてた手紙の中でも「この曲はこれまでわたしが作曲した最高の作品だと思います」と書かれている。(那須雅之)
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