*Ensembre"AMADEUS"Tama +++ 曲目解説(協奏曲) +++

ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503

 1.Allegro maestoso ハ長調   2.Andante ヘ長調   3.Allegretto ハ長調
 ハ長調のピアノ協奏曲は1786年、30歳のときに書かれた作品です。    この数年前にザルツブルクの大司教と袂を分かち、ヴィーンに移住してきたモーツァルトは音楽家として成功の道を歩んでおりました。その過程を示す作品がピアノ協奏曲の連作です。当時、冬のシーズンになるとモーツァルトはピアノ協奏曲を作曲し、貴族の予約演奏会でソリストとして演奏しておりました。ヴィーンに来た当初の作品(11番〜13番)は弦楽器群にオーボエとホルンを加えただけの小さなものでしたが(しかも弦楽器だけで演奏できるように工夫されている)、次第に管楽器の編成が拡大していき、22〜24番には当時まだ珍しかったクラリネットも使用されています。またオーケストラの扱いもピアノと対等になり、劇的な表現を含んだ交響的な作品となってまいります。                       一方でこの作品は2日後に完成された交響曲第38番ニ長調「プラハ」とともに人生における全盛期の最後に位置する作品ともいえるでしょう。翌年には父レオポルドが亡くなり精神的な支えを失います。収入を支えてきた予約演奏会には人が集まらなくなり、事実上この協奏曲がそうした演奏会のための最後の作品となりました。以後の作品は芸術的に深化していき、当時の聴衆の趣味からは離れていったのでした。そしてこの頃から生活に困窮し、借金を依頼する手紙が増えてくるのです。
 冒頭はハ長調の祝祭的な性格を表現したファンファーレ風となっています。そこにこの頃のモーツァルト作品の特徴でコントラストをはっきりつけた、例えば長調と短調を交互に入れたり、優美な旋律の後に劇的な部分を入れたりといった表情がつけられます。白眉なのは展開部でしょう。ひとつの旋律を様々な調性でソロ、弦楽器、管楽器がかけあっていきます。3楽章ロンドはベートーヴェンもこの曲に学んだのでしょうか? コーダ部分にピアノソナタ「ワルトシュタイン」との類似が認められます。  (竹野 篤志)          

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